2005-02-14
rotring 600 シャープペンシル

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このシャープペンシルとの出会いは、今から 15 年ほど前、私が高校生の頃にさかのぼる。
夏休みや冬休みなどの長期休暇になると、私は千葉の片田舎からお茶の水にあるS台予備学校まで講習を受けに通った。初めてひとりで歩く東京の街に私はすっかり夢中になり、明治大学のキャンパスやら、憧れていた神保町の古本屋街やら、楽器屋界隈やら(当時はバンドでギターを弾いていた)、勉強などそっちのけで歩き回った。輸入雑貨のショップ(今はもうない)や海外の煙草を扱うお店(当時すでに喫煙者だった)、雑誌でしか見たことのないギターを置いている楽器屋などを見つけては覗き込み、少ない小遣いをはたいて細々としたものをいろいろ買い集めたことを懐かしく思い出す。そんなことばかりしていたから浪人してもう一年お茶の水に通うことになるのだが、これは余談。
そんなある日、御茶ノ水駅でいつものように電車を降り、聖橋口を出て線路沿いを大通りに向かって歩いていると、「レモン画翠」という画材屋が目に入った。当時すでに文房具趣味を持ち合わせていた私は、絵を描くことが大の苦手だったにもかかわらず、面白いものがありそうな匂いというか期待のようなものを感じて、思い切って足を踏み入れた。
今思えば、あの時に足を踏み入れていなかったら、私の文房具趣味はここまで高じなかったかもしれない。大げさにいえば運命のようなものを感じる。絵の具、水性ペン、スケッチブック、人の形をした定規、製図用具…宝の詰まった箱のようだった。STAEDTLER も FABER-CASTELL も rotring もみんなここで知ったメーカーだ。使いもしない色鉛筆やパステルのセットを眺め、百以上もあるカラフルなペンから勉強に使いそうな色を選んで買った。講習期間中、毎日のように通い詰める中で、最終日も近づいた頃に出会ったのが rotring 600 である。

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当時、確か 1,500 円だったように記憶している。高校生には痛い出費だが、ずっしりとした重量感と、つや消しシルバーに赤というカラーリングにすっかり参ってしまい、丸一日考えた末に買ったのを覚えている。写真は三代目。10 年前、大学を出て就職したときに買い替え、現在まで使っている。初代と二代目はどちらも、床に落としたときに先端のスリーブ部分が曲がってしまった。たぶん、実家の引き出しに入っていると思う。
さすがに 10 年間使い続けているだけあって、赤い輪(ドイツ語で“rotring”)は健在だがロゴと品番のプリントは剥げ落ち、芯の硬さを表示する窓とグリップに使われているギザギザの部品(ローレット?)は、手垢の汚れなのか変色してしまっている。軸にも細かな疵が多く入っている。エイジングと言えるのかどうか謎であるが、愛着が増していることは確かだ。
軸まで含めてすべて金属(真鍮削り出し)で作られているので、手にしたときのずっしりとした重さと冷たい感じが心地よい。重量バランスも先端寄りで、ギザギザのグリップと相まって手にしっくりと馴染み、常用している硬度 B の芯なら、筆圧をあまりかけなくてもさらさらと書くことができる。これは好みの問題かもしれないが、2 回のノックで私が望むだけの長さの芯が繰り出される。最先端部が 4mm、その手前が 6mm で計 1cm (実測値)と、グリップの先が二段階で細くなっている。製図用のシャープペンシルなので、定規で線を引くときなどに重宝する作りなのだろう。普段使いでも、文字をきちんと目で確かめながら書き進めることができる。そして何より、プロが使う文具という雰囲気を醸し出していて、単純にかっこいい。

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最近になって芯の太さを 0.7mm に乗り換えた。 rotring 600 の 0.7mm を買うかどうか悩んだのだが、結果として LAMY に浮気をしてしまった。しかし、私の文房具趣味の実質的なスタートとなったこのシャープペンシルは、引き出しにお蔵入りなどさせずに、今もペンケースにしっかりと入れている。
※先日、銀座伊東屋でこの弟分に当たる rotring 500 を見つけた。こちらは軸がプラスチックでできているようだ。
※ウェブ検索で、この兄貴分に当たる rotring 600G というのを見つけた。600・600G ともボールペンや万年筆もラインナップされていたらしいが、現在は廃番(Newton シリーズに引き継がれた)のようだ。
投稿日:2005-02-14| カテゴリー:長いつきあい
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コメント
こんにちは、600のボールペンを買い換えようかと探してたどり着きました。もう当方のブログにのせた超重量級のボールペンは無いようですね・・・残念です、さすがにあちこちガタが出始めましてもう1本と思っていたのですが・・・しかもこんなに人気だったとは・・・長持ちするのでまったくチェックしていませんでした。
投稿者 45gs:2008年04月06日 02:30
